生成AIと全文検索をつなぐRAG(検索拡張生成)とは?仕組みやメリット、おすすめツールを解説

 企業が扱うデータ量は年々増加し、必要な情報をすぐに見つけ出すことが難しくなっています。こうした情報活用の課題を解決するために活用されているシステムが、「全文検索」です。

 全文検索システムは、ファイル名や保存場所に関わらず、文書全体から特定のキーワードを含む情報を高速かつ網羅的に探し出すことができ、情報探索にかかる時間を大幅に短縮し、業務効率の向上を実現します。

 さらに近年では、より柔軟で高度な検索を実現するために、全文検索と生成AIを組み合わせた「RAG(検索拡張生成)」という技術が登場しました。RAGを活用することで、生成AIを社内資料などのローカル情報に対応させ、正確で信頼性の高い検索結果を生成することが可能になります。

 本記事では、全文検索の基本的な仕組みから、生成AIがもたらす変化、RAGの仕組みやメリット、そしておすすめの全文検索システムまでを詳しく解説します。


目次

全文検索とは
全文検索のメリット
全文検索の仕組み
全文検索に活用される生成AIの技術
生成AIの回答精度を高めるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術
RAGのメリット
Box生成AIを活用するSAVVY/EWAPのRAG技術
特徴①精度の高い会話型での検索が可能
特徴②利用者の指示に対し社内情報をもとに回答ができる
特徴③情報漏えいやハルシネーションのリスク防止
まとめ
よくある質問
全文検索のメリットはなんですか?
生成AIの課題や注意点は何ですか?
RAG(検索拡張生成)とは何ですか?

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全文検索とは

 全文検索とは、文書全体の内容を対象に、特定の単語やフレーズを含む情報を探し出す技術です。GoogleやYahoo!などの検索エンジンもこの仕組みを活用し、検索キーワードに基づいてユーザーの求める情報を瞬時に提示しています。

 企業においても全文検索は重要なシステムです。業務資料の検索やナレッジ管理など、幅広い文書の検索作業において欠かせない技術と言えるでしょう。ファイル名や保存場所がわからなくても本文から情報を探せるため、情報検索にかかる時間を大幅に削減し、企業の業務効率化やナレッジ共有をサポートしています。

全文検索のメリット

 全文検索のメリットは、文書全体を検索対象にできる点です。ファイル名やタイトルだけでなく本文も検索できるため、必要な情報を網羅的かつ迅速に見つけ出せます。

 キーワードが文書のどこにあっても検索対象に反映されることで、検索漏れが少なくなり、社内ナレッジの共有促進や過去データの有効活用にもつながります。

全文検索の仕組み

 全文検索では、検索対象となる文書データを単語単位などに分割し(形態素解析やN-gram方式など)、「索引(インデックス)」を作成します。このインデックスには「どの文書のどこに単語が現れるか」が記録されています。検索時にはこのインデックスを参照するため、膨大なデータの中から高速に目的の情報を見つけ出すことが可能です。

 全文検索は文書全体を検索対象とするため、ファイル名や保存場所が不明でも情報を発見できます。ただし、検索の仕組み上、検索語と文書内の表現が完全に一致しない場合は、求める情報にたどり着くまでに時間がかかることもあります。

 近年では、こうした検索の特性を補完し、より柔軟な検索を実現するために、全文検索に生成AIを組み合わせたシステムなども登場しています。

全文検索に活用される生成AIの技術

 生成AI(ジェネレーティブAI)とは、膨大な学習データをもとに文脈やパターンを理解し、人間の指示(プロンプト)に基づいて新しい文章や画像、コードなどを生成する人工知能の総称です。生成AIはユーザーが与えた指示内容(プロンプト)に基づいて、文章(ChatGPT)、画像(DALL・E)、音声、動画、プログラムコードなど、さまざまなコンテンツを生成できます。

 さらに近年では、生成AIを情報検索ツールとして活用する動きも活発であり、全文検索においても有用です。従来のキーワード検索とは異なり、高い文脈理解能力を持つ生成AIは、文脈や意味を理解した“質問ベースの検索”を可能にしました。

 例えば「〇〇の改善策を知りたい」と入力すると、生成AIはWeb上のデータを検索し、関連情報を整理・要約した回答を提示します。単なる検索にとどまらず、“質問に対して自然な回答を返す”という新しい形の情報活用ができるのも生成AIの特徴です。

 しかし、企業利用において生成AIは万能ではなく、以下のような課題もあります。

  ● 情報漏洩リスク
  ● 著作権侵害
  ● 誤情報生成(ハルシネーション)
  ● 差別的内容など偏った出力のリスク
  ● 出力の不安定性

 これらのリスクを防ぐには、利用ガイドラインや検証体制の構築が欠かせません。ただし、こうした運用ルールを整えても、生成AIそのものが抱える「技術的な限界」は残ります。

 その最大の限界が「社内情報に対応できない」ことです。一般的な生成AIはインターネット上の公開情報を学習しています。そのため、企業固有の内部データ(社内マニュアル・技術文書・製品情報など)に関する質問には回答できません。場合によっては、誤った情報(ハルシネーション)を生成してしまうという致命的な課題も抱えています。

 この生成AIの「知識の限界」を克服し、文脈を理解した柔軟な検索を実現する技術こそが、次章で紹介する「RAG(検索拡張生成)」です。

生成AIの回答精度を高めるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術

 RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)とは、生成AIの回答精度を高めるために、外部情報源(社内情報等)を検索機能と連携させる技術です。一般的に、生成AIに知識をインプットするには追加で情報を読み込ませる必要があります。しかしRAGを活用すれば、生成AIに直接社内データを学習させる必要がなく、利用者の自然な対話形式の質問に対し、社内文書やデータベースを検索して回答を導き出す環境が整います。

 例えば、「製品Aの導入における注意点を教えてください」と質問した場合、RAGは以下のようなプロセスで回答を生成します。

  1. ユーザーがシステムに知りたい内容を質問する
  2. システムが全文検索を用いて、データベースから関連情報を抽出する
  3. 抽出した情報とユーザーの質問を生成AIに渡し、回答を作成させる
  4. システムがユーザーに回答結果を出力する

 RAGは、まずデータベースを検索し、関連情報を抽出します。その「根拠となるデータ」を生成AIに渡すことで、正確な回答を生成させるのがRAGの仕組みです。

RAGのメリット

 RAGのメリットは、生成AIの知識を外部情報源で補完できることです。社内資料などを基に関連性の高い情報を検索し、そこから得た情報で回答を生成するため、「ハルシネーション(嘘の生成)」を抑制します。

 また、システム上で参照した情報源を明示するのもRAGの特徴です。これにより回答の信頼性や透明性が向上し、企業固有のドキュメントや最新の業務データなどを活用することが可能になります。

生成AIを活用するSAVVY/EWAPのRAG技術

 ジップインフォブリッジが提供する「SAVVY/EWAP」は、まさしくこのRAG技術に対応した全文検索システムです。生成AIの強みを最大限に引き出しながら、社内のローカル情報を情報源とした高精度な回答生成を実現します。

 さらに、SAVVY/EWAPは超高速全文検索エンジンに加え、検索結果を分類・仕分けして絞り込める独自の「多観点ツリー」機能を備えています。社内に分散する膨大な文書やデータを一元管理し、高速かつ正確な検索を実現することで、これまで文書検索にかかっていた時間やリソースを削減し、企業の業務効率化を促進します。

特徴①精度の高い会話型での検索が可能

 SAVVY/EWAPは、全文検索エンジンの高速性を活かしつつ、生成AIの連携で自然な会話形式での検索が可能です。システム内部で質問(検索意図)を汲み取り高度なキーワード検索を実行するため、高精度な検索体験を実現します。

 さらに、システム内部では同義語などに対応した検索も行えるため、ユーザーの質問に対する検索精度を大幅に向上させます。

特徴②利用者の指示に対し社内情報をもとに回答ができる

 SAVVY/EWAPと生成AIの連携では、まずSAVVYが社内データを検索します。その結果を「知識(根拠)」として生成AIに渡し、この情報をもとに回答を生成させます。

 システム内で検索インデックスを作成するため、最新の情報をリアルタイムで反映しやすく、生成AIの回答の根拠(出典)を示すことが可能です。

 さらに、SAVVYの「多観点ツリー機能」を活用することで、検索結果を製品名や日時などで絞り込み、より適切な情報だけを生成AIに渡すことで、質問に対してより分かりやすく正確な回答が得られます。

特徴③情報漏えいやハルシネーションのリスク防止

 SAVVY/EWAPと生成AIの連携は、情報源を社内データのみに限定するため、生成AI特有のハルシネーション(誤情報生成)のリスクを低減します。回答の根拠となった社内データも提示できるため、ファクトチェックも効率的に行えます。

 さらに、本システムは、利用者のアクセス権限に基づいた検索結果で回答を生成します。アクセスレベルに応じた情報制限が機能するため、機密情報の漏洩を防止し、企業における生成AIの安全な活用を支援します。

まとめ

 全文検索は、ファイル名や保存場所に依存せず膨大なデータから高速に情報を探し出せる技術です。これに対し、生成AIは文脈を理解して自然な回答を生成できるものの、社内情報には答えられず、誤情報生成(ハルシネーション)の課題を抱えています。

 RAGは、これら双方の強みを組み合わせることで「文脈を理解した高精度な検索」と「信頼性の高い回答生成」を実現する技術です。社内データを安全に活用しながら、ナレッジの共有・業務効率化・意思決定の迅速化を支援します。

 ジップインフォブリッジが提供する「SAVVY/EWAP」は、このRAG技術を搭載した全文検索システムとして、企業が持つ膨大な文書資産を安全かつ有効に活用するための基盤を提供します。社内の文書検索をより効率化し、正確で迅速な意思決定をサポートする次世代の全文検索システムに興味がある方は、ぜひSAVVY/EWAPの詳細ページをご覧ください。

よくある質問

全文検索のメリットはなんですか?

 全文検索のメリットは、文書全体を対象に情報を探せる点です。ファイル名やタイトル、フォルダ構造に依存せず、本文も検索できるため、必要な情報を漏れなく、迅速に見つけ出し、社内ナレッジの共有や業務効率化に役立ちます。

 詳しくは、記事内「全文検索のメリット」をご覧ください。

生成AIの企業利用における課題は何ですか?

 生成AIを活用する際には、ハルシネーションやコンプライアンス違反のリスク、プロンプトインジェクション攻撃などに注意が必要です。正確性や情報漏洩防止のために、根拠の確認やファクトチェック体制の構築、アクセス権限の管理などの対策を講じましょう。

 詳しくは、記事内「全文検索に活用される生成AIの技術」をご覧ください。

RAG(検索拡張生成)とは何ですか?

 RAG(検索拡張生成)とは、生成AIの回答精度を高めるために、外部情報源(社内情報等)を動的に検索・抽出し、その情報に基づいて回答を生成する技術です。学習済みのデータだけに依存しないため、常に最新かつ正確な情報を生成します。

 詳しくは、記事内「生成AIの回答精度を高めるRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)技術」をご覧ください。

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